現在の歯科治療を知っていますか?
歯科治療とはどのようなイメージでしょうか??
虫歯の治療?歯を削ったあと被せ物をする?歯石をとる?歯周病治療?歯を抜く?入れ歯を作る?
こんなところでしょうか??
これまで行われてきた歯科治療は,虫歯を削った後に歯の形態を修正することや欠損部を埋める『治療中心型』の治療でした.
もう少し詳しく説明すると,虫歯になる→詰め物をする(修復治療),歯髄に達する虫歯→根の治療(根管治療)をして被せ物(クラウン),歯の破折や根尖まで生じた炎症(根尖性歯周炎)→抜歯,歯がなくなったところ(欠損部)→ブリッジや部分義歯→総義歯といった治療でした.
これが歯科治療の中心でした.
現在の歯科治療は,生まれてから死ぬまで,一生自分の歯で食べ続けていけるように口腔機能を管理すること(『治療管理連携型』)に変わっています.
口腔機能管理とは,口腔機能発達不全症(小児)や口腔機能低下症(高齢者)に対して,口腔機能の獲得や維持・改善するための歯科治療や口腔衛生指導を指します.
口腔機能発達不全症は,18歳未満の子どもで,生まれつきの障害がないにも関わらず,食べる,話すなどの口腔の機能が十分に発達していない状態をいいます.口腔機能低下症は,食べる,話すなどの機能が低下している状態をいいます.
高齢者は口腔機能の衰え(加齢による口腔の変化,歯の喪失のリスク増加)と体の衰え(全身的な疾患,自立度の低下)といった問題があります.
具体的には,ブリッジや義歯をいれておしまいといったものではなく,歯科治療で治した口腔内で食べ続けていける様に口腔機能管理をすることです.
そのためには,全身疾患を把握したうえで,口腔疾患の重症化予防,口腔機能低下への対応を行うことが必要です.今後はリハビリテーション,栄養管理,口腔管理の連携がキーワードになりそうです.
今後,口腔機能発達不全症や口腔機能低下症についてもう少し詳しく記載しようと思います.
まとめ
現在の歯科治療は,これまでのような歯の治療中心ではなく,生まれてから死ぬまで食べ続けられるように口腔機能を獲得し維持することに変わってきています.